アレルギー性鼻炎(耳鼻科のお話し)
アレルギー性鼻炎
ホタルが舞い、アジサイの咲く頃となりました。「花粉症」の季節が過ぎ、ほっとされている方も多いことでしょう。
しかし、この時期は学校検診の結果が親御さんの手元に届く頃ですね。お子様が「アレルギー性鼻炎」と診断され、心配になった方もおられるのではないでしょうか。
そこで、今回のお話は「アレルギー性鼻炎」です。
アレルギー性鼻炎 どんな症状?
アレルギー性鼻炎の症状はいわゆる「花粉症」の症状です。
つまり、「透明な鼻水」「くしゃみ」「鼻づまり」です。ほかに「いびきが大きい」「よく口を開けている」などがあります。
寝ているときに呼吸が一時的にとまる「睡眠時無呼吸症候群」はアレルギー性鼻炎でも起こります。
また、お子様の場合はしょっちゅう鼻をかんだり、触ったりするため鼻血が出たり、鼻のまわりの皮膚があれることもあります。
アレルギー性鼻炎 原因はなに?
アレルギー物質と呼ばれる物質が原因です。
最も有名なものがスギ花粉です。そのほか、ヒノキ、カモガヤなど様々な花粉があります。花粉が原因のアレルギー性鼻炎のことを「花粉症」と言います。
また、花粉以外のアレルギー物質としては、ホコリ、ダニ、カビ、動物の毛(特に猫)もアレルギー物質です。
プールの塩素で鼻炎になる人もいます。
アレルギー物資は私たちのまわりにたくさんあるのです。
アレルギー性鼻炎 誰でもなるの?
アレルギー物質は誰にでも「アレルギー性鼻炎」を引き起こす、のではありません。
人によって症状の出ない人、症状の軽い人、ひどい人など様々です。人によって鼻炎になるアレルギー物質の種類も異なります。
なぜ症状が出るの?
呼吸をするとアレルギー物質が鼻の粘膜に沈着します。これらは体に必要のない物質です。
私たちの体には不要物を排除する仕組みが備わっています。
不要物を鼻息で飛ばしたり、鼻水で洗い流したり、白血球とよばれる細胞が食べたり、壊したりします。この排除活動が静かに行われれば症状は出ないのです。
しかし、人によっては大げさな排除活動が行われ、大量の鼻水やひどいくしゃみが出てしまうのです。
家に入ってきたハエをハエ叩きで追い払えばすむところ、ミサイルで始末したようなものです。自分の家も吹っ飛んでしまうようなことになるのです。
ちなみに、体から排除すべき物資(異物)に対して、自分自身にとっても不都合となるくらいに過剰な排除反応を示すことを「アレルギー」(「過敏反応」)と言います。
どんなときに耳鼻科に行けばよいの?
それは、これらの症状が不快で日常生活に支障をきたしたときです。
例えば、
• 鼻づまりや鼻水のため集中して仕事ができない。
• 鼻づまりのため夜中に目が覚める。
• 家人にいびきや無呼吸を指摘される。
• 朝起きたときにのどが痛い。
• 耳がつまった感じがして少し聞こえにくい。
注意が必要なのは小さなお子さんの場合です。不快であることを言わない(言えない)からです。
そこで、
• よく口を常にあけている。
• 鼻をよく掻いている。
• 鼻を頻繁にかんで鼻の下がこすれている。
などがありましたら、耳鼻科に受診されてください。
市販のお薬を飲んでいてもよくならないという時に副鼻腔炎を合併していることがあります。特に小さなお子さんでは鼻水だけと思っていたらいつの間にか中耳炎になっていることがあります。
アレルギー性鼻炎 どんな 治療をするの?
アレルギーをおさえるお薬(抗アレルギー剤)を飲んだり(内服)、噴霧したり(外用)、或いはその両方を行います。
残念ながら現在の医療ではアレルギー性鼻炎を根本的に治すことはできませんが、症状を緩和させることができます。
アレルギーの治療は難しいです。専門のお医者さにかかり、その方に合った治療法をみつけなければなりません。
良い治療法がみつかるまで、少し時間のかかることもあります。よろしくお付き合いくださいね。
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